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第351話

「あっ、あっ…はぁっ…」 口から零れ落ちる喘ぎ声と揺れる腰が、無意識に希を誘っている。 そんな俺を真上から見下ろす捕食者は笑みを浮かべて、ずんずんと俺の中に入ってくる。 熱い…擦られる度に甘い電流が走り、脳味噌が溶け出しそうな快感に侵食されていく。 身体の奥が疼いたままで、おかしくなる。 俺の中も…襞が蠢き希自身に喰いつくように吸い付いている。 いいよ…お前になら喰われてやる。 お前しか入ってこれないんだ。 お前だけ… 俺の全てを…喰らえ! 目に涙を浮かべながら、挑むように見返すと 「斗真……」 ただ名前を呼ばれただけなのに、胸が切なく疼く。 足を折り曲げられ苦しい体勢なのに、足先まで甘美な痺れが止まらない。 「…俺を…骨の髄まで…喰えよ…お前に俺の全てを…やるよ…」 はっ と大きく息を飲み込んだ希がのし掛かってきた。 一層繋がりが深くなる。 思わず身震いして目の前のオトコの顔を見つめる。 相変わらず綺麗な顔だな…コイツが俺にメロメロだなんて… はむっ 唇を覆われた。 ホントに喰いやがって。 弄ぶようにはむはむと唇を甘噛みすると、ぬるりと熱い舌先が滑り込んできた。 難なくそれを受け入れて、甘えるように絡める。 飲み込みきれず、口の端から零れ落ちる唾液を気にすることもなく、ひたすらに口内を貪り合った。 息が苦しい。鼻での息継ぎが間に合わない。 角度を変える合間に大きく息を吸い込みながら、それでも唇を重ね濃厚なキスを繰り返す。 もはやキスとは言えない口でのセックスに、俺達は溺れていた。

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