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第360話

そんなこんなで希との攻防戦をくぐり抜けつつ過ごした一週間後… 俺達は、また式場に足を運んでいた。 そう…今度は家族を交えた神前式のために。 希と俺は二人だけの別室へ。 今日はどちらも羽織袴でキメている。 「はぁっ…この間の白のスーツも良かったけど…こっちも…萌える… 斗真…カッコいい…」 「希だって…めっちゃイけてるぜ。 あ、ちょっと胸元が…」 少し引っ張って直してやると 「ふふっ…いい嫁だなぁ…斗真、愛してるよ。」 「わかってるって。」 いちゃいちゃしていると、ノックの音が。 「はい、どうぞ。」 入ってきたのは俊兄と翔兄! 「希、斗真!おめでとう! おおっ、お前らモデルみたいだな。」 「二人ともおめでとう! みんながここに来るとチビ達が大変なことになるからな、最初に俺達が挨拶に来たんだ。 後から親父達来るから。」 「お忙しいのに遠路ありがとうございました! 皆さんお揃いですか?」 「あぁ。控え室で大騒ぎだ! うちのも張り切って来てるよ。」 「先日はご祝儀とは別にお祝いをいただきまして…ありがとうございました! お陰様で二人ともピッカピカになりましたよ。」 どうだ とばかりに仰け反って俊兄と翔兄に自慢する希に 「そりゃあよかった。 何せあの(・・)嫁達がノリノリでな。 あ、揶揄ってるんじゃないぞ? 本人達は至って真剣だったからな。」 「そう言えば…斗真、お前随分とゴネたらしいな!」 「ゴネたって…だってさ、翔兄…俺は俺なりに考えて…」 「わかってるよ。今のは失言だったな、すまん。」 翔兄に、素直に謝られた。 「とにかくさ、おめでたい日だから! じゃあ、後でな!」 ひらひらと手を振って二人が出て行った。

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