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第361話
続けてやって来たのは…親父とお袋。
「あらあらあらあら…やだぁ…イケメン!
希君、カッコいいわぁ…後でツーショットの写真撮ってね!
斗真、あんた意外と似合うじゃない!
流石我が息子!」
きゃあきゃあはしゃぐお袋の横で、神妙な顔をした親父が希とがっちり握手を交わしていた。
「希君、斗真をよろしく頼むな。」
「お義父さん、はい!こちらこそ!」
ふっと真面目な顔をしたお袋が、希に向き直って
「希君。」
「はい。」
「実はね…勝手なことだと思ったんだけど…
お母様を呼んでるの。」
「えっ…」
「あなたが嫌なら無理強いはしないわ。
お母様もそう、仰ってるし。
…どうかしら?」
希は黙って俯いている。
俺は堪り兼ねて
「お袋、何でそんな勝手なことを!
希の気持ちも考えて」
「斗真、いいんだ。」
希が俺の言葉を遮り、お袋をしっかりと見つめて言った。
「お気遣いありがとうございました。
…俺、出席してほしいです。
そして、その目で、俺が幸せになる誓いの儀式をしっかりと見届けてほしいです。」
「…希…」
俺は希の少し震えている手を握りしめた。
希も俺の手を握り返すと、俺を見て『大丈夫』とでも言うように頷いた。
俺も頷き返し…
そこにまたノックの音が。
「はい、どうぞ。」
これまた遠慮がちに空いたドアの向こうには…
「…兄貴?」
アメリカにいるはずの希のお兄さんが!?
そしてその後ろには、満面の笑顔の金髪美人と、いかにもアメリカンな青年が二人と金髪美人によく似たスレンダーな美少女が!
「希、突然ですまない。
どうしても出席したくて調整してたら間際になって…親父はどうしても来れなくて…
おめでとう!
斗真君、希をよろしくお願い致します。
お義父さん、お義母さん、お久しぶりです。
ご連絡ありがとうございました!」
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