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第364話
そんなこんなで、二人っきりのいちゃいちゃにまた雪崩れ込んで、軽めのキスを繰り返していると、またノックの音がした。
慌てて離れ「どうぞ」と返事をすると、爽やかな笑顔の遥さんがいた。
「お待たせ致しました。お時間でございます。
ご準備は整われましたか?
あ…斗真様、ちょっと御髪 失礼致しますね…
はい、オッケーです。
希様も…失礼致します。
はい、大丈夫ですよ。」
「「ありがとうございます。」」
遥さんが俺達それぞれをチェックして、手直しをしてくれた。
さっきから希に引っ付いているから、髪の毛も乱れてたのか…何か…全部この人にはバレてるみたいで恥ずかしい。
「ご準備お済みでしたら、ご案内致します。」
大丈夫です、と返事をして見つめ合った後、さも当然というように、希が指を絡めてきた。
俺もそうしたかったから、逆らわずにそっと指を絡めていくと、希がうれしそうに笑っている。
コイツの隣で、この笑顔をずっと見ていたいんだ。
何があっても、どんなことをしても、希を守っていくんだ。
先日の二人のでの挙式…あの時にも誓ったけれど、今日も改めて心に誓う。
俺はしゃんと前を向いて、希と二人神殿へ向かった。
神殿の前には既に勢揃いした家族達が待っていた。
神妙な顔の親父と兄貴、嬉々としたお袋と義姉さん達。結衣さん、鼻血出そうな顔してるよ…流石にチビ達も大人しくしている。
希の家族も、男達は神妙な顔で、女性陣は満面の笑み。
こんな時、女性ってやっぱ肝っ玉が据わってるというか…
希のお母さん!
一番後ろにいたが…赤い目をして必死で涙をこらえていた。
その前で希はふっと立ち止まると
「…来てくれてありがとう。」
何度も何度も頷いて、ハンカチで目を押さえ、嗚咽するお母さん…
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