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第367話

感動したまま、玉串奉奠(ほうてん)へと続き、神主さんのご挨拶でお開きとなった。 最初の順番で退出して、俺達は元の控室へと案内された。 希はその道すがらもしっかりと俺の手を掴み、堂々と進んでいく。 希…お前やっぱり“ダンナ”だわ… 俺…ヨメ:斗真はアナタについて行きます! 「お疲れ様でした! 無事にお開きとなりました。 本当に…いいお式でしたね…私達も…あそこにいたスタッフ全員が貰い泣きしてしまいましたよ。」 と、目を赤くした遥さんに言われた。 「ありがとうございます。 俺の…斗真を守っていく宣言みたいなものですから…」 「そうですよね!本当に素晴らしかったです。 そちらのお好きなお飲物をどうぞ。 一服されたら写真撮影がありますから、しばらくそのままで…15分後にまた参りますね。」 「はい、ありがとうございます。」 遥さん達が出て行って二人っきりになった。 「斗真…」 「希…」 名前を呼び合うことしかできない。 そっと引き寄せられ、その胸に身を預ける。 「…希、ありがとう…」 やっと口にできたのは感謝の言葉。 「…うん。斗真、ありがとう。」 しばらく抱き合っていたが 「斗真、俺、緊張し過ぎて喉カラッカラ! 何か飲もうぜ。」 「そうだな。俺も。」 用意されていたミネラルウォーターのペットボトルを分けて飲むと、人心地ついた。 「希…本当に…本当にありがとう。 俺って、マジ幸せな嫁だと思う。」 「何言ってんだ。俺の方こそマジ幸せな夫だと思う。」 手を繋ぎ顔を見合わせて笑っていると、ノックの音がした。 「はい。」 撮影の準備ができたと、遥さんが呼びに来たのだ。

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