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第373話
壊れ物でも扱うように、そっとベッドに横たえられた俺は、じっと上から見下ろす希を見つめていた。
その視線を逸らすことなく、希もまた俺を見つめたまま、ばさりとバスローブを脱いだ。
綺麗な筋肉のついた身体を晒した俺の伴侶は、獰猛な獣のように思えた。
その視線に絡め取られた俺は、息をするのが精一杯で、一ミリも動くことができずにいた。
パンイチになった希は、ゆっくりとベッドに乗ってくると、俺のバスローブの紐をゆるりと解いた。
さあ、どうだ…希の反応は?
はらりと前をはだけさせ、俺の下着を見た希は、その瞬間目を見開き、俺の顔を見た後、顔を真っ赤にして口元を押さえ、何か言いたそうだが言葉が出ない。
ふと視線を下にやると、ビキニタイプの下着の前がぐっと持ち上がっていた。
その鮮やかなセルリアンブルーの一部分に、見る間に染みができた。
あ…希のお気に入りの勝負パンツだ…
希も気合を入れてるのがわかって、何だかおかしくなってきた。
ふっ、やった…やりましたよ、遥さん。
今回のセレクトもナイスでした…
これ、どうやって報告しよう…恥ずい…
やっと絞り出したような、艶を含んだ希の掠れた声がした。
「斗真…綺麗…(ごくっ)
これ、これどうしたの?」
喉を鳴らして生唾を飲み込んだ希は、俺の頬を撫で問い掛ける。
「…これ、また遥さんからのプレゼントなんだよ。
どうだ?気に入ったか?」
どうだと言わんばかりに、ニヤリと口だけで笑った。
希は手を滑らせて紐の部分をそっと撫でた。
擽ったくて身を竦める。
「気に入る…そんなレベルじゃないよ!
紐…紐パンなんて…鼻血出そう…ヤバい。
斗真…お前って、イけてる嫁だなっ!」
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