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第374話

覆い被さってきた希の熱が、お互いの下着越しに伝わり背中を電流が駆け抜ける。 (たけ)り勃った熱い塊をぐいぐい押し付けてくる希の鼻息は荒く、すっかり興奮した牛みたいだ。 もどかしい刺激で俺自身も小さな布の中で、しっかりと主張していた。 擦れ合う その感触が新たな快感を呼び、俺の下着の中も、じっとりと濡れてきた。 今にも突っ込んできそうな希を宥めるように、俺はゆっくりと頭を撫で頬を摩り告げた。 「希…落ち着け。俺は逃げないから… ゆっくり…楽しもうぜ。」 「斗真、何でそんなに落ち着いていられるんだ? 俺はもう、お前の中に入りたくて堪らないのに… 俺だけか?俺だけがこんなにお前をほしがってるのか?」 少し涙目の希が苦しそうに訴える。 そんな希にキスを一つして 「ばーか。そんな余裕なんてないよ。 確認してみろ。」 希の頭を抱え込んで引き寄せ、丁度耳が心臓の辺りにくるように胸に押し付けた。 それは坂道ダッシュした後のように、今にも飛び出しそうにバクバクと跳ねていた。 「すご…斗真、ナニコレ?」 「俺の下着を見て興奮したお前を見て俺も興奮して…今からお前に愛されるのかと思ったら、緊張して…心臓口から出そうなんだ。 俺だって…希がほしくて堪らないのに。」 「斗真…」 「だけど、せっかくの二回目の初夜…いや、まだ昼間だよな…俺は、お前とじっくり愛し合いたいんだよ。」 希は俺の胸にキスをすると 「わかったよ、俺の嫁さん。 愛しい嫁にそこまで言われたら、夫としてはそれに応えてやらなきゃ男が廃るってもんだ。 暴発したら…許してくれよな。」 「ふっ。お互い様だろ。 …来いよ、希。」

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