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第375話

希は俺の挑発に、ふっ と鼻で笑い俺の頬をそっと撫でると、優しく唇を重ねてきた。 今まで数え切れないほどのキスを交わしてきたが、それは本当に慈愛のこもった優しいキスで… 俺はそれだけで達しそうになり、思わず身震いした。 ゆっくりと離れていく希は壮絶に妖艶で、俺を本気で堕としにかかっている と感じた。 耐えられるか?いや、負けられない。 希は俺の下着を指一本でなぞっていく。 臍の下のど真ん中から、縁を辿りながら右へ。 紐の所までくると、数度往復させて足の付け根へ。 「…擽ったいよ…」 身を捩る俺を無視してそのまま大事な所をすっ飛ばし、反対側の足の付け根へ。 右側と同じように左側も。 紐に数度指を滑らせて、最後に、主張して大きく膨らんでいる俺自身を布越しに、下から上へと擦り上げた。 「あっ」 蛇の生殺しみたいな、たった指一本の愛撫で、何の前触れもなく、呆気なく俺はイってしまった… 信じられない… ガクガクと震え、ぱちぱちと瞬きを繰り返し、茫然とする俺に 「ふふっ…俺の勝ちだな。 斗真、かわいい…どれだけ出したんだ? 見せてくれよ。」 片方の紐をするりと引っ張ると、勢い良く飛び出す、白濁の液を纏った俺自身。 その濡れた肉棒を擦って 「…すげぇ、オスの匂いがする…堪んねぇ…」 と、希は心底うれしそうに言う。 「…ショックだ…ひと撫ででイっちまうなんて…俺、そんなに早漏だったかな…」 「俺のテクがすごかったんだろ? あー、もう、斗真って何でこんなにかわいいんだろ…食っちまいたい。」 「おい…歯型は止めろよ。あれ、地味に痛いから。」 わかった、と笑いながら言う希は、自分の下着を脱ぎ捨てた。

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