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第381話

明後日の方向を向いて素知らぬフリを決め込む希。 その態度ですぐバレるっつーの。 「一体何枚買ったんだ?怒らないから言ってみろ。」 「…本当に怒らない?」 「うん。」 「…見たら今度穿いてくれる?」 「…モノによる。」 「…じゃあ見せない。」 「気になるだろう!見せろよ。」 「やだ。斗真怒るもん。」 「怒るようなモノ買ったのか? …わかった。穿いてやるから見せてみろ。」 「…本当?本当に?」 「武士に二言はない。持って来いよ。」 希は渋々クローゼットから取り出した大きめの紙袋を俺の前に置くと、中の物を取り出し、布団の上に並べ始めた。 1枚、2枚、3枚、4枚、5枚…6枚…7、7枚!? ぶはっ 一週間のローテじゃないか。 綺麗にパッケージに包まれたそれらは、よーく見ると、色もピンクあり、蛍光色あり、希の好きなブルー系も… デザインは… 袋を開け、ぴらりぴらりと一枚ずつチェックして、俺は呆れ果てて希を見た。 「…希…」 「怒らないって言ったじゃないか…」 希はちょっと拗ねたように唇を尖らせている。 もう目が潤んでいた。 お約束のレース、フリルの段重ね、お尻の部分にハートの穴(!)が空いてるやつ、Tバックにボクサータイプ、ビキニが二種類… これ全部俺用か!? もう、呆れたのと驚いたのとで声も出ない。 目の前に並べられた色取り取りの下着と、しゅんと俯いて、ついでにアソコも項垂れた希を交互に見ていると、何だかもう、おかしくなってきた。 くっ、くっくっくっ… ははっ…はっ、あははっ 腹を抱えて笑い出した俺を 希は茫然と涙目で見ていた。

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