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第387話

ワザときっちりパジャマを着て、希の待つ寝室へ入っていった。 手持ち無沙汰にぼんやりとベッドの端に腰掛けていた希は、俺を見るとすっ飛んできて抱きついた。 犬だ…完全に犬だ。 大型の…駄犬…バカ犬… 俺の尻を撫で回され首筋をくんくんと嗅がれて、その思いが強くなった。 その背中をぽんぽんと叩いて落ち着かせると 「さぁ、希…ステキな朝にしようか。」 「斗真ぁ…お前、男前!」 「でもさ、その前に…俺は腹が減った! 何か腹に入れないと、身体が持たねぇよ。 一日中ずっとイチャイチャするんだろ? 飯、食おうぜ!」 ちょっと ぶすーーっ とした希だったが 「一日中イチャイチャか…わかった! 俺何か作ってくるから待ってて!」 さっきの機嫌の悪さは何処へやら、希は鼻歌を歌いながらキッチンへ行ってしまった。 チョロい。 希…お前、チョロいよ。 あぁ、でも…一日中、俺 何されるんだろう… 自分で言っといて不安になってきた。 まだ下着、何枚もあったな…まさか全部…ってことないよな。 取っ替え引っ替えの下着ファッションショーなんてやらされないよな… うだうだと考えていると、コーヒーとトーストとベーコンの焼けるいい匂いがしてきた。 腹の虫も鳴いている。 何だかんだ言っても、アイツは料理は上手いし手際もいい。 そうだ… この調子で、今日は上げ膳据え膳で俺は何もしないようにしてやろう。 っていうか…身動きできなくなるのは、俺か… 覚悟しておくとするか… バタン! 「斗真!できたぞ!」 「おっ!美味そう!流石 希だな。 なぁ、ここで食べるのか?」 「アメリカンスタイルでいいだろ? 睦み合った翌朝…ベッドで裸のまま食べるんだ。 あ!今日は俺が食わせてやるから、斗真は手を出しちゃダメだからな!」

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