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第390話

「斗真…斗真…大好きだよ…」 「おい、苦しい。ちょっと力緩めろ。」 「やだ。斗真大好き。」 「…大好きは わかったから…息出来ない。」 そこで少しだけ腕の力が弱くなった。 触れ合う肌から鼓動を感じる。 トクトクトクトク スキスキスキスキ 「お前も俺のこと“大好き”って言ってくれよ。 俺ばっかじゃねーかよ。」 「はいはい。大好きだよ、希」 「何かさぁ…その投げやりな言い方… もっと愛情込めて言ってくれよ。」 「…注文の多いヤツだな… はいはい、わかりましたよ。 …希…たとえ世界が滅んでも、お前だけ大好きだ。お前だけを愛している。」 ぶはっ 「…そこ吹くとこかよ…」 「ごめんごめん…まさかそんな本気モードでくるって思わなくって…」 「…二度と言わねぇ。」 ふいっと横を向いて拗ねたフリをすれば、顎を元に戻されて『ごめん』とキスをされた。 割り込んでくる舌は、さっきのコーヒーの味がする。 追いかけっこをするように、くちゅくちゅと音が出るくらいに絡ませ合い、息を切らすほど口付け合った。 いつの間にかパジャマの上着を脱がされて、大きな手の平で、やわやわと乳首を転がせられていた。 「…ほんっと、そこ好きだよな… あんまり弄るとポロンって取れそうだから止めてくれよ。」 「取れねーって。」 「わかるもんか!お前みたいにしつこくされたら、取れるかもしんねーぞ! 取れたらどうしてくれるんだよ!」 「んー?どうもしない。」 「何ぃーーっ!?」 「だって、もう、俺達結婚してるし、俺はお前のダンナだから。 責任取りようがないよ。」 ぶはっ やられた…こりゃあ一本取られたぜ。

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