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第401話

息を荒げたまま目を閉じると、涙が一筋…目尻から零れ落ちていく。 坂道ダッシュしたようにバクバクと心臓は暴れ跳ねている。 まだ体内に希の熱は残るものの、俺の中は少し形を変えてきた楔を包む余裕ができてきた。 希は俺にぴったりと覆い被さり、はあはあと荒ぶる息を整えていた。 しばらくすると上半身を起こした希は、少し萎えた芯の楔を数度、ぐちゅぐちゅと打ち込んでから、ずるりと引き抜いた。 ぐちゅり という音と一緒に、白濁の液が溢れ出る。 俺はもう指一本も動かない。 潤んだ瞳はぼんやりと伴侶の姿を映していた。 希はティッシュを引き出すと、まず俺の後孔から溢れる液と自分の手を拭いた後、自分のモノを拭き取った。 「斗真、風呂に入れてやるから待ってろ。 準備してくる。」 布団がふわりと掛けられた。 俺にキスをして後ろを向いた希の背中に、数本の赤い線が見えた。 あれは…俺が付けた爪の跡? 夢中で気付かなかった。 間もなく戻ってきた希に謝った。 「ごめん、背中引っ掻いたみたい。 痛いかも…ごめんな。」 「あ?そんなの…『愛されて求められた』っていう勲章みたいじゃん。 気にすんな。 それより…身体大丈夫か?お前、泣いてる。」 零れ落ちた涙をそっと拭き取られた。 「…うん、平気。大丈夫。」 希は唇に触れるくらいの優しいキスをすると、俺を横抱きにしてバスルームへと運んだ。 抗う気力も体力も残ってない。 抱かれたまま丁寧に後孔の処理をされ、身体の隅々まで洗われる。 「希…後は自分でできるから…」 「指一本動かないくせに、黙って夫の言うこと聞いてろ。」 図星で言い返す言葉も見つからず、されるがままになっていた。

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