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第404話
「俺も一緒にいくよ。
多分少し休めば、腰も大丈夫だろ…」
「そうか。無理するなよ…ってか、俺がさせてんのか!」
あははっ と笑って誤魔化そうとした希は、また布団に潜り込んできた。
俺は希の頭を撫でてから、ゆっくりと立ち上がり、半勃ちのソレを見せないように部屋を出た。
トイレでこっそりと処理して、リビングの窓から外を見やると、黒い雨雲が空一面にかかり、見事なくらいの土砂降りになっていた。
遠くの方で光っているのは雷か。
半端ない降り方だなぁ。
外出中じゃなくてよかった。仕事中にずぶ濡れなんて最悪だもんな。
それでも所々明るくなって、次第にその範囲が広がってくる。
「あ」
思わず声が出てしまった。
雲間が薄く切れた隙間から太陽が差し込んで、天地を繋ぐ いくつもの光の道ができている。
「綺麗…」
いつの間にかやって来た希が後ろから抱き込んで俺の肩に顔を乗せていた。
「あれ、“天使の梯子”って言うんだってさ。
綺麗だよな。」
「“天使の梯子”かぁ…ぴったりのネーミングだよな…誰が付けたんだろう…
あっ!虹っ!」
見る間に黒い雨雲は消え去り、大きな虹がかかっていた。
「久し振りだなぁ…虹なんて見るの。」
「俺も。何だか…俺と斗真を祝福してくれてるみたい。
…斗真、もう暫く横になってろよ。
動くとまだ辛いだろ?」
俺は希の頬にすりすりと擦り寄り、甘えると
「…じゃあ、もう少しだけ…
なぁ…その間、抱きしめててくれないか?
嫌ならいいんだけど。」
「嫌なわけあるもんか!さぁ、行くぞ!」
希は俺を横抱きにすると、意気揚々とベッドルームへ連れて行った。
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