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第407話

それぞれに戦利品を抱え、意気揚々と戻ってきた攻のお二方とかわいいお嬢を従えて、俺と さとしさんは自分達の車に乗り込んだ。 「彼らの車の後について行けばいいんだ。 …あの相沢さんって、きっとデキる男だぞ。」 「希は…きっと相沢さんと同じ系統のような… 俺、さとしさんと分かり合えるような気がする…」 「ぷふっ、なんだよ、それ。」 「さとしさんも今日は腰が辛いらしいぞ。 お前も相沢さんも、猛獣かっ。」 「…お前の言う通り、お仲間だな…」 そんな会話を交わしながら、車は駐車場へと滑り込んだ。 こじんまりしたログハウス風の建物は、お伽話にでも出てくるようなかわいらしい感じがする。 先に降りて入口で待っていた相沢さん達に追い付くと、招き入れられた。 コーヒーのいい香りが漂う店内は、ランプの灯りも優しくて、ゆったりとクラッシックが流れている。 客層もチャラけた感じの人はいないみたいだ。 落ち着いた大人のための喫茶店という雰囲気。 すごくいい。 気に入った。 「いらっしゃいませ。五名様ですね。 こちらへどうぞ。」 案内された席は、窓際の、木目の美しい大きなテーブルが どんと存在感を示している多人数用の席だった。 「今日のオススメのコーヒーとケーキは何?」 しょうさんが尋ねると、細身のウエイターがつらつらと答えた。 「本日のオススメは、ブラジルサントスのNo.2です。 ケーキはザッハトルテ、パフェはダークチョコレートです。 どちらもビターで男性でもペロリといけますよ。 ご注文お決まりになりましたら、お声を掛けて下さい。 失礼致します。」 所作の綺麗なウェイターだな。

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