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第409話

「ところで、お式はどうでしたか? 俺達は凛と一緒に三人で挙げたんですよ。 な、翔?」 翔さんが微笑みながら頷いた。 その瞳は智さんに注がれて、限りなく優しい。 「俺達も…教会式で斗真と二人きりで挙げて、日を改めて神式で身内だけを呼んで、二回。 オーナーご夫夫もスタッフさんもすごく素敵な方達で。 …本当に満足できるいい式にしてもらえました。」 智さんがこっそりと俺に耳打ちしてきた。 「遥さんのプレゼントは役に立った?」 真っ赤になって俺も耳打ちした。 「ええ!とっても!その後がちょっと大変なんですけどね。」 二人で顔を見合わせてクスクス笑っていると、翔さんと希が 「何だよー。二人でこそこそとー。」 「おっ、智っ!早速仲良しか?俺達も混ぜろよ。」 「「内緒っ!」」 そこへタイミングよく、注文の品々が運ばれてきた。 「ぱふぇ、きたぁーっ!」 「お待たせ致しました。 パフェのご注文の方…はい、どうぞ。 ケーキの方…はい、どうぞ。 リンゴジュース…はい、かわいらしいレディへ。 後の皆様、コーヒーをどうぞ。 ご注文は以上でよろしかったでしょうか? ごゆっくりお楽しみ下さいませ。 失礼致します。」 「“れでぃ”って!りんのこと、“かわいらしいれでぃ”って! うふふふっ」 …女性は何歳でも褒め言葉には弱いらしい。 目の前のパフェグラスは、お洒落に盛り付けられたチョコレートケーキやフルーツ、チョコアイスの上に、これまたたっぷりとチョコレートソースがかかり、見るからにこってりと甘そうだったが… 全員で「いただきます」をして、恐る恐る一口食べると… 「美味いっ!」 ビターで、ぜんっぜん クドくないっ!

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