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第433話
腰を揺らめかせ、愛おしい伴侶の名を呼び続けた。
「希…希っ…はぁっ、希…」
与えられる快感に馴染んだ肌は、じわりと汗が滲み出て湿り気を帯びていた。
身体の奥から湧き上がるいつもの慣れた快感。
確実に俺の弱い部分を攻め立てる希に、この身を任せてひたすらに快楽の海へ溺れていく。
何度抱かれても暴かれても、満足しない貪欲な身体は、希の指を食い締め、離れまいと必死に縋り付く。
腹の奥から、きゅうぅっと甘い痺れに似た気持ち良さが背筋を走り『本当に女であればよかったのに』とあり得ない望みがつい顔を出してくる。
じわりと目尻に溜まる涙に気付いた希は、そっと親指の腹で拭い取ると
「…斗真…俺はお前が男でも女でもどっちでもいい。
斗真だから…斗真がいい、お前しかいらないんだ…」
そう言って触れるような優しいキスをしてくる。
時々絶妙なタイミングでそんな台詞を伝えてくる希は、実はエスパーかと勘繰りたくなる。
「希……俺…俺、男でごめんな…」
「ばーか。ヨメは黙って感じてろ。」
ふっと笑った希が指を抜く。
突然失われた快感を求めて、中が蠢いている。
透明な液に塗れた切っ先を蕾にあてがわれ、後孔がヒクついて、挿入の瞬間を待っている。
あっ…クル…俺の中に…
ぐちゅぐちゅと入口を擦られて、もどかしげに腰を揺らせば、左足の膝裏をがっしりと掴まれて固定されてしまう。
片足を上げた格好のまま、蕾を弄ばれていたが、潤滑油の代わりのぬるりとした液体に助けられ、希の楔がズルズルと入ってくる。
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