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第434話
その擦れ具合に思わず
「あぅっ」
と声を漏らせば くっくっと喉を鳴らし、数センチ埋まったままで、入口付近をごりごりと抽挿し始めた。
「あ…もっと、もっと…」
「もっと何だ?言ってみろよ。」
もどかしい、その擦り具合。
わかってるくせに言わせたいのか。
もっと中を抉り取ってくれよ。
奥の奥まで入って突いてくれよ。
俺のイイとこ、わかってんだろ?
悔しくて、くっ…と噛み締める俺の歯を唇からそっと外すと
「わかってるさ。俺はお前のダンナだから…
こんなところでは満足できないことも。
もっと深いとこまで突いてほしいことも。
今から狂うくらいにヨクしてやる。
へばるなよ、斗真。」
希は片方の口元を上げてニヤリと笑うと、足首を掴み前に押した。
そしてほぼ真上から一気に打ち込んできたのだ。
「ぐぅっ!」
いきなりの深い挿入に、目の前に火花が散った。
息が一瞬止まった。
腹の中を突き破り何か飛び出ている錯覚を覚えた。
まさか希の…
そんなところまで入っているのか?
希は寸前まで引き出すと、また肉筒を擦り上げ抽挿を始めた。
かはっ……けほっ…はっ、はっ…はぁっ…
肺に空気が入りやっと呼吸できるようになったが、無理な体勢の挿入は少し辛い。
だが、その辛さ以上に深く潜り込む希の楔が愛おしくて、気持ち良くて堪らない。
重量に逆らって上がり、また落ちてくる体重は、俺にまともに打つかってくる。
うっ…腰にクる…
でも今は、明日のことを考える余裕はない。
ベッドのスプリングは、規則正しくギシギシと鳴り続け、パンパンという破裂音が、いやらしく部屋に響く。
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