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第447話

先に布団に潜り込んだ俺は、希が来るのを待っていた。 「とぉーまぁー、お待たせー!」 もぞもぞと俺の隣に滑り込んできた希が、俺の腰を気遣いながら遠慮がちに抱き寄せる。 「痛くない?」 「まだ痛い。」 甘えるように言うと、俺の腰を撫でながら 「まぁ、俺のせいなんだけどな…でも、斗真がかわいすぎるのがいけないんだぞ。」 「何で俺のせい!?」 「お前が俺の理性をぶっ壊すから… でも早く治してくれよ…抱けないじゃないか。俺、我慢できねーよ…」 ストレートに欲望を口にする希。 すりすりっと俺の頬に顔を寄せてくる様は、まるで猫だ。 こんなデカい猫なんかいねーよ。 化け猫…そうだ、性欲の塊の化け猫だ! その化け猫の頭を撫でながら、素直に言ってやる。 「わかった。なるべく早く(なお)すけど…少しは手加減してくれよ。 それに、会社もホントは休みにくいだろ? 明日も半分ズル休みだしな? みんなに何言われるか分かんないよ。 ってか、薄々は勘付いてるんだろうな…あー、めっちゃ恥ずかしいよぉ〜」 「別にいいじゃん、俺達 夫夫だもん! 言いたい奴には言わせとけばいいんだ。 エッチして何が悪い!」 …そんなこと、開き直るなよ… 「悪くないけど恥ずかしいだろ、バカ! とにかく、明日も俺は休みます! チーフ、よろしくね♡」 語尾にハートをつけてやった。 ありがたく思えよ。 「はいはい。わかりました。 でも斗真、今日みたいに辛くなったら電話でもメールでもラ◯ンでもいいから、連絡寄越せ。 すぐに出れなくてもわかるから、折り返し掛け直してやる。 …アイツ、電話番号変えてたのかも… 登録以外の電話もメールも全部着拒にしてやる。 後で携帯貸せよな。お前からっきし機械に弱いから。」

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