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第448話
バレてたか。
「じゃあ、後で頼むよ。
それとさ、湿布!湿布貼ってくれよ。」
「色気もクソもねーな。はいはい、わかりましたよ、奥様。
ちょっと待ってろ。」
希が取りに行っている間に俯 せになった。
痛たたたっ…やっぱり痛い。
とはいえ、今日の何度目かの腰痛体操のお陰か、今朝よりは随分とマシだ。
全くもう…“受ける”俺の身にもなれって。
一人でブーブー文句を言っていると、希が湿布を持って現れた。
「はい、斗真君、おケツ出してねー。」
なーにが『おケツ』だよ。
むくれたまま、そっとズボンと下着を下ろすと
「…このラインが…堪んないんだよなぁ…」
と言いながら、スルリと腰の周りを撫でてくる。
「ばっ、ばかっ!変な撫で方すんなよっ!
もういい!自分でやるっ!」
「ふふっ、ごめんって。無防備な斗真、かわいいー♡
今、貼ってやるからじっとしてな。」
ばーか、ばーか、希のバーカ!
今日何回言っただろう。
心の中で悪態をついて、それでも貼ってもらわねばならないから、じっとしている。
ぺた ぺたっ ぺた
はい、湿布お化けの出来上がり。
剥がす時に引っ張られて痛いんだよな。
「斗真…無茶してごめんな…好き過ぎて自制が効かなくなるんだ。
好きで好きで好きで…訳分かんないくらいに激しく抱いてしまう。
お前に負担が掛かってるのはわかってるんだけど…ごめん。」
いつになく殊勝な声がする。
「…わかってるって。俺もお前だけに抱いてほしいんだから…お相子だろ?
ただ、ちょっと…後が…」
「うん、大変だよね。ごめん。」
項垂れる希。
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