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第457話
希がワザとのように耳元でささやく。
「一人で寂しかっただろ?俺が戻ったからもう大丈夫だぞ。」
ぺしっと頭を叩いて
「いろいろやることあったから、気が紛れて良かったんだ。
ほら、早く風呂に入ってこいよ。もう沸かしてあるから。
お腹一杯になったら、後で嫌になるぞ。」
希はぷうっと膨れると
「じゃあ斗真と一緒に入る。」
「やだよ。一人で入る。」
ますます膨れっ面になる希。子供かって。
「…二日間も斗真の分も頑張ってきたのに…」
それを言われるとイタイ。
「…わかったよ。その代わり、何もするなよ。
手出すな。まだ腰は完治してないんだから。」
へへへっと崩れた顔のイケメンは、さっさと風呂の準備をして、俺の手を引っ張ってバスルームへと連れて行く。
おいおい、その崩れ方は何なんだ?
脱衣所で先に自分が着ているものを脱ぎ捨て、うれしそうに俺の服に手を掛ける。
「…希…」
「んー?なぁーに?」
「自分で脱ぐ。」
「だって、斗真は腰が痛いだろ?
曲げたり伸ばしたりするの痛いだろ?」
上目遣いで俺の顔を見る。
あー
止めろー、その顔。
かわいすぎて胸キュンキュンするから止めてくれ。
お願い、止めて下さい。
諦めて希の好きにさせてやると、嬉々として服を脱がせていく。
「ちゃんと洗ってあげるからねー」
黙れ、この確信犯め。
ジロリと睨み付けても素知らぬ顔で
「はい、頭洗うよー。」
とシャワーを掛けられ、その後は頭から全身泡だらけにされる。
乳首やまだ柔い俺自身をワザと掠めるように触ってくる。
ばーか、ばーか。
変なことすんなよ。
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