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第465話
美味い、美味いを連発して完食した希は
「片付けは俺がするからな。」
と、俺をソファーへエスコートしてウインクした。
そういうところがズルいんだよ。
また、惚れるじゃないか。
そのうち、コーヒーのいい香りがしてきた。
食後のコーヒーか。
気が利くな、うちのダーリンは。
「斗真、どうぞ。
今日は頑張ったな、お疲れ様。
新規で三件なんて、流石うちのエースだな。」
「ありがとう。
久し振りだから、何かテンション上がっちゃってさ…って言うか、お前に恥ずかしくない男にならなきゃ…って。
俺だけでなく、他の社員のフォローも完璧にやってる って聞いたよ。
誰にも真似できない。
ストイックなお前の仕事の姿勢に感化されたんだ。
俺は…胸を張って、お前の隣に立てるようになりたい。
だから、頑張ろうと思って…」
「斗真…お前の頑張りはいつも見てわかってる。
俺だって、お前に恥ずかしくないような働きをしなくちゃって、自分にハッパをかけて頑張ってるんだ。
…俺達、相乗効果でいい成績を残せてるんだな。」
「うん。『どうせ同性カップルだから』って、言われたくないし、言わせないから。
それなりの成績を出さないと…」
「気負う必要はないよ。
今まで通りに真摯に向き合って、一所懸命やればいいだけだ。
…はい、仕事の話はこれでおしまい。
斗真とイチャイチャしたーい!」
「ははっ!俺も…俺も希に甘えたい…甘えたかったんだ。
あ、でも腰はまだダメだからな!」
「わかってるよ…じゃあ、ここに来て。」
「向かい合わせ?横抱き?後ろから?」
「向かい合わせっ!!!」
ポンポンと自分の膝を叩き、ココだと主張する希の言う通りにしてやった。
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