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第474話
智さんが続ける。
「いろんな部分で我慢をさせてることがあると思うんだ。
急に両親が亡くなって、初対面の伯父二人が親になって、オマケにソイツらが結婚して(笑)
所構わずイチャつくもんだから、いつも凛に叱られてるんだよ。
『こどものきょういくじょう、よろしくないから、ふたりっきりのときにしてよ!』
って。
五歳児にそんなこと言われるなんて…ねぇ。
まぁ、いつでもどこでも盛る翔がいけないんだけど。
変に先走って大人の考えを読んでる。
よく言えば『頭の回転が速い』
悪く言えば『子供らしくない子供』
大人の中で育ったせいか、妙に悟ってる部分もあって。
でも、最近やっと俺達の前で泣けるようになったんだよ。
暮らし始めた頃なんて、凛が泣いたのを見たのは、たった一度だったんだ…」
「凛のお陰で、こうやって智と結ばれることができたんだ。
『あの子を引き取る』って話からの俺達の同居だったんだよ。
凛がいなければ…葬式が終わればそれで終わりだったかもしれない。
俺は…今、本当に幸せなんだ。」
翔さんはそっと智さんの肩を抱き寄せて、ぴったりとくっ付いた。
智さんは、少し咎めるような目をしていたが、少し顔を赤くして、なすがままに寄り添っていた。
「じゃあ、凛ちゃんはお二人のキューピッドだったんだね。
家族で、最高の理解者で。
あの子が将来、どんな恋愛をするのか楽しみだね。
身近にこんなイケメンがいたら、目が肥えるのは間違いない!」
イケメンはないけど…と翔さんは前置きして
「でも、まぁ、彼氏を連れてきたら、バッチリ査定とダメ出しはするけどね。」
そりゃそうだ、と大笑いした。
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