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第475話
話が弾んでデザートも平らげ、あれだけあった料理がほぼ空になった頃、翔さんが
「二人とも明日休みだろ?
良かったらこのまま泊まっていかないか?
希に聞きたいこともあるし…
うちはよくこうやって、食事の後はお泊りコースなんだ。
着替えもベッドもあるから、そうしないか?
美味い酒があるんだよ。
凛も喜ぶし、ぜひそうしてくれないか?」
「え?でも、ご迷惑じゃ…明日仕事は?」
「俺も智も休みなんだ。
だから、大丈夫。な、智?」
「もちろん!もう、準備してあるからね!」
俺達は顔を見合わせ
「本当に図々しいけど、お言葉に甘えます!
いやぁ、うれしいな…俺も翔と話したいことがあるんだよ。」
「じゃあ、決まりだな。
あ、風呂どうぞ。俺達は済ませてあるから。」
「来る前に済ませて来たんだ。
お泊り前提じゃないぞ?」
「それなら部屋着に着替えておいでよ。
その方がのんびりできる。
そこのベッドルームが君達の部屋だよ。
自由に使って。」
「ありがとう!遠慮なく。斗真、行こうか。」
「何から何まで…甘えてすみません。」
そっとドアを開けると、キングサイズのダブルベッドが目に飛び込んできた。
ちょっと生々しくて何となく恥ずかしい。
チョコレート色のベッドカバーの上に、二組のスウェットが並べられていた。
ポールハンガーに来ていた物を掛け、用意されていたスウェットに着替える。
「こんなに甘えちゃっていいのかな。」
「せっかくの申し出だから、甘えちゃっていいんだよ。
俺、あの二人とは、本音でずっと付き合っていけると思う。
この繋がりは大切にしたい。
あの人達のことを知りたいし、俺達のことも知ってほしい。
何か相談できる、信頼できる人が増えるのはいいことだよ。」
希はそう言うと、俺を抱き寄せ優しくキスした。
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