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第480話
「…うっ…わかる…わかるよぉ、智…
智も…大変なんだな。
翔って、強引そうなタイプだもんな。
あぁ…同じだ…希と一緒…
でもそれをコントロールしてるんだろ?
君の方が一枚上手だと思うよ。
あのな、正直、俺も男だから、そういう気分の時だってあるよ。
無自覚に煽ることも…それは認める。うん。
だけど、だけどさぁ、『受』って、半端なく大変だったこと、わかってほしいよな…」
はぁっとため息をついた俺達は、労わりあうようにそっと両手を握り、ハグをした。
「智…辛い時、連絡してもいいか?」
「当たり前じゃん!俺も…いい?」
「もちろん!
こんなことさ…誰にも言えなくって…しんどかったんだよ…」
「うん、うん。そうだよな。
何だか、ホッとした。翔に言えないこととかもあるから。
これからも、よろしく!」
「こちらこそ!うれしいよ。」
ん?何だか視線を感じる…二人とも、ゆっくりとその視線を追っていくと…
やっぱり希と翔!
何かニヤニヤしてるよ…
「俺達のヨメさんが睦み合ってるぅ〜!」
「かわいいぞ!でも、ハグは許せないなぁ…
なぁ、希?」
「うん、許せないな…こりゃあ、お仕置きだな。
斗真、こっちにおいでー」
ひっ…
「うわっ、ばかっ!こっちに来るなよっ!」
うわぁっっ!
ひょいっと抱き上げられ
「じゃあ、お仕置きタイムといきますかぁ!
翔、智!美味い料理と酒のおもてなし、ありがとうございましたっ!
遠慮なく、お休みなさーい!」
「お休みぃーー!ごゆっくりーー!」
やめろぉーっ!ばかぁ!下ろせーっ!
部屋に俺の悲鳴に近い叫び声が、虚しく響いていた…
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