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第481話

すたすたと平気な顔をして俺をベッドまで運んだ希は、まず自分の物を そして俺の着ている物をぱっぱっと脱がせて、素っ裸にすると 「とーま♡お仕置きするぞー! ラブラブしよぉーねぇ♡」 なんて襲い掛かってくるから、横っ面張り倒してやった。 「いったぁーーーっ!何すんだよっ!」 「調子に乗りやがって…こんの酔っ払い!こっちの台詞だっ、バカヤロウ! 俺はまだ腰が治ってねーんだ。 触るな、このバカ犬っ!離れろ!」 ふーふーと威嚇する俺に恐れをなしたのか、希が大人しくなった。 「人様んちで何しやがる!場所考えろよ、このバカ犬! 俺に指一本触れるな! もしちょっとでも触れてみろ。お前とは二度と喋らないからな。」 しーーん ぜえはぁと息を切らしながら怒鳴りつけた俺のことを希が涙うるうるの目で見つめていた。 ぽろっ 綺麗な涙が一筋、真っ直ぐに頬に零れ落ちた。 「…そんな言い方しなくっても…」 しまった。言い過ぎたか。 オマケに張り倒した。 マズい。 後悔の念に苛まれる。 手を出したのは俺が悪い。 「…殴ってごめん。悪かった。」 希がふるふると首を振った。 「…俺もごめん。調子に乗ったから。」 俺はゆっくりと脱がされたものを着直して、部屋を出た。 リビングには翔と智がいて、ぴったりとくっ付き、今まさにキスしようか…という場面だった。 あぁ、マズいところに来てしまった… 「怒鳴り声が聞こえたけど、大丈夫か?」 智を抱き寄せたまま、翔が揶揄いがちに問いかける。 「…襲って来たから頬っぺた張り倒してやったんだ。 悪い、何か冷やす物、借りれるか?」 「保冷剤あるよ。ちょっと待ってて。」 赤い顔をした智がキッチンへ走って行った。

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