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第486話

智とランチの約束もした。 「俺の同僚も、なんだ。 すごくいい奴らだから、紹介するよ。 絶対に仲良くなると思うから、そいつらも連れて行くよ。」 おおっ…『お仲間』が増えていく! 楽しみが…増えるって、いいな。 「散々食い散らかして、お世話になって、本当にありがとう! 翔、今度二人で飲みに行こうぜ!」 「ああ!楽しみにしてるよ。」 「凛ちゃん、またね!」 「とうまくん、すいーつたべにいこうね!」 「もちろん!じゃあ、また!」 丁重にお礼を言って、相沢家を後にした。 お腹も心も満たされて、幸せ気分満載で帰宅した。 その頃には、いつもの俺達に戻って、横に並んで引っ付いてソファーに座っていた。 希の頬は腫れることもなく、普段のイケメン顔でホッとした。 いくら頭にきていたとはいえ、希に手を挙げたことが、俺にとってはすごいショックだった。 時間が経っても、その感情は消えることはなく、手の平にもその感触が残っているような気さえする。 『暴力を振るう奴はサイテー』 などと言っておきながら、自分がそんなことをするなんて。 いつになく落ち込む俺を希はそっと抱きしめてくれる。 「…なぁ、もう、いいじゃん。 嫌な思いをしたんだから、もう、これでおしまい。 やっちゃったら、反省して、二度としないと誓って、前に進む。 俺はそれほどに斗真を怒らせたことを反省するし、お前は手を挙げたことを反省する。 俺が許してるんだし、お前だって調子に乗った俺のことを許してくれてるだろ? だから、おあいこ。な?」 希の胸に擦り付いてつぶやいた。 「お前って…優しいな。」 「ふふん。今頃気付いたのか?斗真限定だぞ。 なんたって、俺はお前のダンナだからな。」

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