491 / 1000

第491話

「…の、ぞみ…なぁ、希…」 「…っ、はあっ…どうした?斗真…っく…そんなに締めるなよ…」 「…なぁ…俺、俺…男なのに…俺の…こんな、姿…とか、喘ぐ、声とか… お前…気持ち悪く…ないのか?」 それまで動いていた希が、急に止まった。 「何でそんなこと言うの?」 低い声で問われた。怒った? 「よいしょ、っと。」 掛け声とともに浮遊感を覚えて、視界が ぐるんと急に動いたと思ったら、希の楔が身体の奥に突き刺さっていた。 「ひぐっ」 対面座位にされていた。 「何言ってんの?俺、そんなことカケラにも思ったことなんかないよ? お前の甘えて感じて善がる声も、乱れる身体もその姿も、綺麗で美しいと思ってる。 もっと狂わせて、もっと啼かせたい…乱れる様をもっと見たい…と思ってる。 一体、誰がそんな風に思ってるって? ふざけるのも大概にしとけよ。 …俺のこと、何だと思ってんの?」 おデコをこつんとくっ付けられた。 「…ごめん…」 「俺は斗真の何?」 「…愛するダンナ…」 「それだけ?」 「…この世で一番大切で、命懸けで守りたい…俺のことを一番に愛してくれてる、愛おしい(ひと)。 …一生…ううん、生まれ変わっても絶対に見つける、愛する存在…」 黙って聞いていた希の耳と頬が見る間に赤くなっていく。 「…斗真…めっちゃうれしいけど…クサイ台詞吐き過ぎ… あー、照れる、照れるわぁ…」 「何だよっ!『何?』って聞かれたから、素直に答えたのに… もう、二度と言わないっ! 希のバカっ!」 喋る度に、振動でナカが擦れて感じていたところに、大声を出したせいで、希をますます締め付けてしまったようだ。

ともだちにシェアしよう!