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第499話

砂を吐きそうな、希の愛の告白を聞かないフリをしながらも、一体アイツはどれだけ俺を思っているのか、どれだけ執着してるのか、空恐ろしくもあった。 俺のどこがいいのか? そこら辺にいる、普通のオトコだぞ? まぁ、人並み以上の顔と、仕事ができるのは置いといて。 いや、自画自賛か。 希みたいなハイスペックな人間が執着するほどのものではないと、自覚している。 絡み合い縺れ解けなくなった赤い糸は、俺と希をしっかりと繋いでしまってるんだろうな。 「斗真…」 俺の反応がないのをいいことに、布団に潜り込んできた希は、背後から俺を抱きしめた。 びりっ 「いってぇーーーっ!!!」 全身に痛みが走る。 涙目で睨みつける俺に、希がオロオロと 「とっ、斗真…ごめん、ごめんな…」 と、謝り続け、こちらも涙目になっている。 「痛い…希のバカ。散々ヤりやがって。 全身痛い。指一本動かせない。 もう…しばらくヤんねーからな。」 掠れた声で詰る俺に、希はひたすら 「ごめん、ごめんね。」 と繰り返し 「お腹空いてない?何食べたい?喉乾いてない? 何かほしいものない?」 ご機嫌取りに忙しい。 ふんっ と一言返して後は無視した。 お腹?空いてるに決まってるだろうが! 昼も食わずにヤりまくって、もう、夕方だろ? 「…腹減った。」 ボソリと呟くと、希がすっ飛んで行った。 これはまた、『ベッドであーん』…希が超喜びそうなシチュエーションじゃないか… チッ と舌打ちして、自分からそういう方向に持っていってしまってることにムカムカする。 間もなく、ほかほかと湯気のたった鍋が運ばれてきた。 「鶏団子鍋だよー。生姜が効いて美味いよ!」 小首を傾げてかわいく言っても許さねーからな! そんな心と裏腹に、腹の虫が ぐぅーーっ と盛大に鳴った。

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