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第507話
朝昼兼用のご飯を済ませ、希がキッチンを片付けてる間に、俺は洗濯機を回し、部屋中、掃除機を掛けた。
「斗真ぁ!コーヒー飲む?」
「うん、飲む!」
いい香りが部屋に充満している。
「サンキュー。」
くっ付いてソファーに並んで座る。
カーテン越しの柔らかな日差しと、そよそよと入り込む風。
穏やかに流れる時間。
言葉はなくとも、お互いにリラックスしているのがわかる。
「なあ、希。」
「んー?なーに?」
「そろそろ年末のさ、飛行機のチケットの予約しなくちゃいけないだろ?」
「あ、もう予約したよ。斗真の希望聞かなくてごめん。」
「嘘っ、早っ!もう?
…いや、俺は別にいいんだけど。」
「休みも合わせて余分に取るから。
それはボスの許可もらってるし心配いらないよ。」
「相変わらずやることがソツがないな。
…わかった。それはお前に任せるから。」
「勝手にしてごめん。」
「いいよ。希に任せておけば間違いないから。」
「帰国したら、お前ん家に行くつもり。
お義父さん達に年始の挨拶しないとな。
お土産も渡さなきゃ。」
「…気配り上手め…お前には敵わないよ。
俺達が行くこと、お義父さん達にも伝えてるのか?」
「うん。義姉さん達は『是非泊まって!』って言ってくれたんだけど、二人っきりになりたいし、斗真に夜まで気を使わせたくないから断った。
ちゃんとホテルも押さえてるから。」
「はあっ…何から何まで…ありがとう。
じゃあ、俺は全てお前にお任せで行くから。
頼りにしてるよ、ダンナ様!」
「任せとけ!」
「…仲良くしてた友達とかいたんだろ?
…会わなくていいのか?」
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