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第512話

「もう…一々何でそんな煽ること言うのかな…」 「一体何がお前を煽ってんのかちっともわからない。意味不明。 大体今の会話で、煽るエロいとこあったか? お前のスイッチがわかんねぇよ。」 「だって、斗真の口から『希限定』って言葉、超貴重じゃん!プレミアじゃん! …それだけで、俺、イけるわ!」 「希…お前…」 「あ…引いた?引いたよな? 俺の斗真への愛はストーカー並みだからな。 仕方ないじゃん。好きなんだもん。」 「はいはい、わかってますよ。 そんな“変態な希君”を愛してしまった俺もかなりのもんだと思うよ。 変わり者同士で丁度いいんじゃないか? くくくっ」 「そうだな。俺達それでいいじゃん。」 「って、股間を(まさぐ)るの、やめろよ。 そこばっかじゃん!」 「だってぇ…斗真のココ、すぐに反応してかわいいじゃないか。 ほら、いい子いい子…」 「んっ…だから止めろって…ん…はっ…」 ギューッ 「いってぇ!!! 痛い!痛いよ、斗真…そんな抓らなくても…」 「…今日は“スロー”の日なんだろ? スローならスローらしく、ゆったりまったりとしろよ! でなきゃ、スローもなしにするからな!」 「…ぐすっ…痛い…わかった、わかりましたって…ぐすっ」 「ごめん。痛かった?加減しなくてごめん。」 手の甲に、ちゅっ 「…まだ痛い?」 「ぐすっ…痛い。」 もう一度、ちゅっ 「まだ?」 「痛いっ。」 ちゅっ、ちゅっ 「どう?」 「…まだ痛い…」 ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ 「もういいだろ?」 「……まだ。」 ちゅっ、ちゅっ、ぺろぺろぺろぺろ、ちゅっ 「どう?」 「…治った…」 顔を見合わせ、おデコをくっ付けて、くすくす笑う。 心地イイ時間が流れていく。

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