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第517話
希は腰を動かしながら、擦り付けてくる。
さっきからのスローセックスで、じわじわと熱を持って燻っていた身体の内側から、新たな熱が生まれてくる。
緩やかで穏やかな触れ合いから、一気に感じる部分への愛撫が始まった。
これ、スローじゃないじゃん。
普段の前戯じゃないか。
希…スローの定義や、やり方、わかってんのか?
それでも、希は加減をしているのか、腰の動きもゆっくりで、先走りで濡れそぼった竿同士が擦れ合い、にちゃにちゃという音だけでも、興奮度が増してくる。
喉の奥から
「ん…くっ…んふっ…ん…」
という、鼻に抜ける甘い声が漏れる。
我慢しても、どうしても声が出てしまうのだ。
希は俺の髪の毛を撫でつけながら
「斗真、声出していいんだよ。
ここには、俺とお前しかいないだろ?
俺は、お前の感じる声が聞きたい。
俺の愛撫で乱れていくお前を見たい。
『俺の愛する斗真をこんなにできるのは俺だけなんだ』
って、確信したい。
ね、斗真…お願い…」
触れるか触れないかの、肌を滑る指先が擽ったい。
「希…擽ったい…あふっ」
希の指が、俺の耳の後ろをそっと撫でた。
ビリビリと指先まで、快感という名の電流が流れる。
「斗真…いい子…もっと感じて…」
何度も何度もそこばかりを撫で続ける希。
次第に腰がくねり、触られてない乳首まで勃ち始めた。
希は、赤く色付くそれを口に含むと、少し力を入れて引っ張った。
「あうっ!」
仰け反る背中に腕が回され、反動をつけて起き上がらされた。
希の上に座るような格好になり、俺の乳首が丁度希の目の前に晒された。
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