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第520話

ゆるりと手の平で摩られて、上半身に赤い花が散る。 人前で脱げないじゃないか! って言うか…そんなシチュは、交通事故とか、意識不明で倒れて救急搬送された時に、恥ずかしい思いをするだけで… 「斗真、他のことを考えるなんて余裕だな。 俺のことしか考えられないようにしてやるよ。 覚悟して…」 「ばっ、ばかっ!そんな余裕なんかねーよっ! いいか?今日はスローの日! 何度も言うけど『スローの日』 いいな?」 「はいはい。わかってるよ。 だから今日は無体なことしてないじゃないか。 …それとも何か?してほしいのか?」 「…希のバカっ!…離れてもいい?」 「やだっ!やだやだ!」 ぎゅーっと希に抱きしめられて、妙な優越感に浸ってしまう。 こんな状態で会話をすると、振動で感じたしまって、腰が揺れる。 このまま優位に立ちたい俺は、希の顎を掴み言い聞かせるように言った。 「嫌なら俺の言うこと聞いて…ね、希。」 希は無言で俺の乳首に吸い付いてきた。 「あっ!」 不貞腐れた獣の、思わぬ反撃にあった。 仰け反る身体は、全身に毒が回っていくような、びりびりとした痺れに支配されていく。 その間にも、するりと後孔に伸びてきた指は、繋がった部分を確かめるように弄ってくる。 何度となく柔く解されたソコは、きゅうきゅうと希を締め付け、時折希の呻き声が聞こえた。 熱くて固い楔は、期待通りに俺の中で大人しく収まり、蠢いてる俺の中は喜びに満ちていた。 動かずとも、気持ち良くて腰が揺れる。 この感覚。 前回よりも感度が増しているような気がする。

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