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第521話

思わず漏れる吐息を飲み込むと、希が声を出せとばかりに、乳首をグリグリと責め立ててくる。 「気持ちイイなら…声出せ、斗真…」 「…………っ…くっ…っあ…あっあっ…あ…」 耐え切れずに口から漏れる喘ぎ声が、嫌でも耳につく。 「…いや…だ…こんな、こえ…い、うむっ」 言葉を紡ぐ唇を塞がれた。 無理矢理こじ開けられ侵入してきた希の舌に、口内を嬲り倒されていく。 ぐちゅり ぐちゅっ ぐちゅっ キスだけで堕ちていきそう… 飲み込む唾液の量が追い付かずに、口から喉元に零れ落ちていく… 希はそれを人差し指で掬い取り、俺の両乳首になすり付ける。 散々責められて敏感になっている赤い粒は、簡単にその指に篭絡した。 まるで舐められているような錯覚に陥り、俺は次第に、熱が楔の先端に溜まっていくのを感じていた。 じわりと先走りが滲んできている。 触られてないのに。 今は触れてないのに育った楔が、ぴくぴくと健気に震えている。 俺でさえ、こんなに感じているのに、希はどうなんだ? 突き刺さったままの希の楔は、俺の中でビクビクと脈打ち、その存在感を示している。 何がスローだ。 身体に優しい、だよ。 激しく抽挿されるセックスよりも、感じて頭がおかしくなりそうだ。 希を咥え込んだソコは、意識して締めているわけではないのに、きゅうきゅうと希を締め上げている。 「…食い千切られそう…斗真、少し緩めてくれよ…」 「ワザとじゃないんだよ…身体が勝手に… あっ、喋るの止めて…振動で中が擦れて…」 「うわぁっ…何これ…気持ちイイ… 斗真、めっちゃイイ!」 うれしそうな希にキスされた。

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