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第523話

希の思いも、いつも以上に感じる。 コイツ、俺のこと好き過ぎ。 自重が加わり、ますます俺の身体は跳ね上がって、下から聞こえる粘着質の音がイヤらしく響く。 ぐちゅっ、ぬちゅっ、ぐちゅっ 目を瞑り、希の腰の動きに合わせていく。 いつの間にか流れ出る汗が、顎を伝い胸元に落ちた。 希はその一滴を人差し指でなぞると、自分の口元に運び下唇に擦り付けた。 半開きの唇は下半分だけ艶めき、余りの色っぽさに目を奪われたその瞬間 「…余裕だな、斗真。まだ、愛し足りないみたいだ…」 そう呟くと、ギリギリまで楔を引き抜いたかと思うと凄い力で突き上げ、根元まで突き刺した。 「いやぁーーーっ!!!」 絶叫… 息が止まるとはこのことを言うのだろう。 本当に肺に空気が入っていかない。 俺と希の間には、今の衝撃で吐き出した俺自身の液がべったりと飛び散っていた。 目の前をチカチカと白い星が飛び、奥のあり得ないところまで、希が埋まっている。 しかもそれを俺のナカは、躊躇いもなく受け入れているのだ。 かはっ…げほっ、げほっ… やっと空気が入ってきた。 腹上死なんて真っ平ゴメンだからな。 中に入ったまま、咳き込む俺の背中を希が優しく摩ってくれる。 「げほっ、けほっ…バカ…無茶しやがって… 死ぬかと思った…げほっ、けほっ…」 「…ごめん…」 「…で?満足したの?」 「…はい。とっても…」 そうは言っても、希自身はまだ芯を持ったままで、俺の中に残っている…出ていく気配もない。 お前さぁ、何度達したら気が済むの? 俺、もう出ないよ。 出したら干枯らびるぞ。それでもいいのか?

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