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第532話

「ただいまー!」 希が帰って来た。 「あれ?亜美さん、ご飯まだ? せっかく用意したんだから、遠慮しないで食べてよ! 残り物でごめんね。 ほら、斗真!準備してあげて!」 「そうだった!亜美さん、こっち来て! ご飯よそうから!」 「ありがと!もう、お腹ぺこぺこだったわ。 今気が付いた! いただきますっ!」 「はい、どうぞ! アイスクリームも買って来たからね、後でみんなで食べましょう!」 「「やったぁ!」」 亜美さんが食べている間に、俺も風呂を済ませる。 …そのうち俊兄も到着するだろう。 余計なことを言ってしまっただろうか。 『俺達の分も』なんて。 俺の勝手な思いを言ってしまって、亜美さん、困ってないだろうか… ほんの少しの後悔に苛まれながら風呂から上がると、希と亜美さんの笑い声が聞こえてきた。 良かった…元気になったみたいだ。 「とぉーまぁー!アイスあるよぉー!」 「今行く!」 「お前の好きなヤツ、買ってきたからな!」 うへへへっ 俺を撫で回さんばかりに纏わり付く希に、亜美さんが 「ほんっとに二人は愛し合ってるのねぇ…」 と感心したように呟いた。 「えっ!?うわっ!こらっ、希っ、離れろっ!」 「いいじゃん!斗真ぁ!」 亜美さんがいてもいなくても、“安定の”希の甘えっぷりに、俺はドン引き亜美さんは大喜び。 そうして三人で仲良くアイスを食べていると、インターホンが鳴った。 希が応対していたが、リビングに戻ってきて亜美さんに 「俊兄が迎えに来たよ。 俺は、二人できちんと話し合ったほうがいいと思う。 俺達で良ければ、一緒にいるから… もうすぐ来るから、落ち着いて自分の思っていることを言ったらいいと思う。」 「わかったわ。一緒にいてくれるのね?」

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