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第564話

希は俺の頭を撫でながら 「…どうしたら、お前の心を100%…いや、200%…俺のことを信じさせることができるのかな…… 俺の身も心も、お前一色に染められてるのに。 お前のことだけしか頭にないのに。 吐くほど…吐いて体調を崩す程に、俺のことを愛してくれてるんだろ? いるはずのない存在に嫉妬…斗真、それ嫉妬だよ。」 「…嫉妬?」 「何だ…分かってなかったのか? お前、ありもしない影に嫉妬して、怯えてるだけだよ。」 …『ありもしない影』 「だって!だって、亜美さんと並んだ希はっ、すごく馴染んでて! 俺が入る余地なんてなくって!」 言いながら、また涙が滲んできた。 「他の人間はどうでもいいんだ。 俺の隣には、斗真…お前しかいないんだよ。 もっと自信を持てよ。 お前だけ。お前しか馴染まないし似合わない。 愛してるって、顔にずっと書いておこうか? …愛してるよ、斗真。」 ひいっく ぐすっ…うえっ…ぐすっ… 嗚咽が止まらない。 そんなこと言われても…自分に自信が持てない。 「…ぐすっ…自信なんて…自信なんて…持てないよ… 希はイケメンでカッコ良くって、ぐすっ…頭が良くて、仕事もできて人当たりも良くて、ひいっく…そんな、そんな完璧な男と釣り合うなんて、俺、思ってないから…」 「ほら!それが間違ってる! 斗真は斗真。どれをとっても、俺の愛してる斗真なんだよ。 …それにしても…そんなに褒められたら照れるなぁ。」 頭を掻きながら、擽ったそうに笑いながら、俺をぎゅうぎゅうに抱きしめてくる、

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