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第568話
それに応えるように、希の舌が、腕が、足が、俺に絡み付いてくる。
このまま…希に巻き付かれて息絶えてもいいのかもしれない。
『愛されている』という確固たる思いを抱いたまま。
触れないところがないくらいに、皮膚を滑る手の平は、温度を増している。
熱い。
脳味噌が沸騰しそうだ。
暗闇の中、希の手が俺を弄る。
羞恥に染まった顔を見られなくて良かった。
突然、顎を掴まれて噛み付くようなキスをされた。
息が止まる。
「…ん…ぐっ…」
唇を合わせたまま、希の両手は胸の突起を摘まみ上げる。
「んっ!!!」
希に開発されたそこは簡単に反応し、背中に甘い電流が流れた。
少し唇を離して
「…ココ、もうトンがってる…こりこりに固いよ、斗真…わかる?
周りまでぷっくりしちゃって。かわいい…」
実況中継みたいなことするなっ。
「…んなこと、言う…むぐっ」
掠れた声しか出ない。
精一杯の拒絶の言葉も、再び塞がれた唇に消された。
希のキスはしつこくてエロい。
局部を触られなくても、キスだけでイきそうになる。
そう…口をねっとりと犯されるように、何も考えられなくなる…
段々と蕩けていくカラダ。
絡まった糸が解けていくココロ。
俺は…俺は、この男を愛している。
紛れも無い、疑う余地のない事実。
誰にも渡さない。
誰にも奪われたくない。
この思い、どうしたらいいのか?
知らず知らず静かに零れ落ちる涙に気付いた希が、そっと涙を拭った。
「…どうした?辛い?」
首を振りながら伝える。
「…違う…誰にも希を渡さない。奪われたくない。
そう思ったら…」
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