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第586話
目の前に星が飛ぶ。
白い閃光が走る。
ただ、快楽だけを求め、希の動きに合わせて腰を振る。
希は俺の腰を両手で掴み、さっきまで押さえられていた俺の先端からは、びゅくびゅくと白濁液が飛び散っていた。
俺のナカの深いところまで、希が入っている。
身体の中で暴れ回る熱い塊。
はあっ…はっ…はっ…
荒い息遣い…それでも肺に空気が上手く入っていかない。間に合わない。
その息苦しさが殊更欲情を誘う。
パンパンと弾ける破裂音と、ぐちゅぐちゅと滑る粘着質な音に耳からも犯されて、射精に追い立てられていく。
「はあっ…斗真…斗真っ…斗真…」
希が狂おしく俺の名を呼び続ける。
煽られるように俺も、息を切らしながら希の名を呼ぶ。
内臓を引き摺り出されるように、ナカを剛直の楔で擦られて抉られて、もう、いっそこのまま殺してくれと思うくらいに快楽の海に放り込まれる。
加減を知らぬ伴侶の半端ない愛情は、逃れることのできない底無し沼のようだ。
ピストンの速度が増してきた。
希の放出も近い。
俺は…既にもう何度も達して、吐き出すものすらないくらいだった。
ただ、胸の奥に“愛される満足感”を忍ばせて…
「うっ…」「ああっ」
どくどくと体内に熱いモノが注ぎ込まれていく。
一体どの位放たれているのか…
随分時間をかけて、希が出し切ったようだ。
押し込むように二、三度打ち付けた後、ずるずると楔が後退していく。
こぷっ と栓が抜けたように、俺の後孔から熱いモノが流れ出す。
あぁ…
激しく愛された身体は指一本動かせない。
熱気と二人が出した淫液の匂いが、部屋中に立ち込めている。
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