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第600話

あとはただひたすらに あられもない声を上げ 求め求められ 口付けを交わし 重なり合い 触れないところがない程に(まさぐ)り合って、情交の限りを尽くした。 しつこ過ぎる愛撫。 それを嫌だと思わない自分。 俺は希の所有物だと、魂の奥底まで刻みつけてほしい。 その固いところを指じゃなくて、熱い楔で突いてくれ、この赤い粒もしゃぶり尽くしてほしい、と狂おしく願う。 日頃は絶対に言わない、はしたなく強請る言葉も口から次々と零れ落ちる。 もうすっかりと慣らされて、希のカタチになった肉筒は、嬉々として蠢きながら彼を迎え入れていた。 リングのお陰か、希の思惑通りに俺の射精はセーブされたが、その分の反動は凄まじかった。 そう、所謂ドライ感に支配されて、暫くイきっぱなしになってしまったのだ。 目を瞑ってもスパークする快楽の火種は、全身に散らばり、どこを触られても脳天まで突き抜ける快感は、俺の理性を吹き飛ばし、希だけを求める獣と化した。 今までだってドライになったことはあった。 けれど、今は違う。桁外れだ。 俺の身体、どうなるんだろう。 途切れかける意識を必死で手繰り寄せては、希に抱かれる。 その合間に『愛してる』と際限なく耳元でささやかれ、頭も身体もドロドロに溶けていく。 やっと外されたリングからの開放感と、希の最奥への吐精で、一気に突き抜けた快楽の長い射精が終わり、俺はもうぐったりと、息をするのが精一杯だった。 「斗真…斗真…」 心配そうな希の呼び掛けに応えることもできず、心も身体も満たされて、ついに意識を手放した。

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