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第601話

頬を撫でる感触に意識が浮き上がってきた。 ゆっくりと瞼を開けると、愛おしい男の顔が間近に見えた。 「…希?」 俺のおデコにキスすると 「…無茶してごめん…大丈夫か?」 頬に添えられた手の平に擦り付いた。 「…大丈夫。ヤワな身体じゃないから。 今、何時?」 「夜の11時。 一応掻き出して身体は拭いたんだけどな。 シャワー浴びて、もう一眠りしようか。」 「ありがとう…そうだな、やっぱ何となく…精液(ザーメン)臭い…風呂入ってくるよ。」 「俺も一緒に…」 「ふっ…仕方ないな…一緒に入ってやるよ。」 起き上がり、ベッドから下りようとして、カクッと膝から力が抜けた。 腰砕けみたいに、ぺたりと床に倒れ込んだ。 「斗真っ!?」 慌てて希が飛んできて、俺を抱え込んだ。 「大丈夫か?あぁ…俺が無理させたから…」 「…うーっ…歩けない…」 希は俺にキスすると、軽々と抱きかかえバスルームへ歩いていく。 「…そんな男前なことされたら、俺、男であるプライドも砕け散るんだけど。」 「お前は俺の嫁なんだから、されるがまま、素直に委ねろ。 二人だけなんだからいいじゃん。」 「はいはい。俺様希様。」 クスクスと笑い合い、身体を洗ってもらい(実際立ってるのがやっとだった。どんだけ滅茶苦茶に抱いたんだよ)、丁寧に身体を拭いてもらい、またベッドへ横抱きで連れて行かれた。 一糸纏わぬ姿で転がされ 「もう、今日は無理だからな!」 と必死で宣言すると 「そこまで鬼畜じゃないから…」 と拗ねられ、ご機嫌取りにキスして擦り着くと、やっと機嫌が直った。 面倒くさい奴め。 そのまま俺を抱きしめて離さない希に、おやすみのキスをして目を閉じると、暫く顔をキスの嵐が吹き荒れたが、諦めたのかやがて静かになった。

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