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第602話
翌朝、若干の腰の違和感を感じつつも、気持ち良く目覚めた。
ん?希?
手の平でシーツを探っても、何も打つからない。
希が そこにいたらしい温もりと匂いが、ほんわかと残っているだけ。
「希…希?」
心細くなり、名前を呼びながらゆっくりと起き上がり、バスローブを肩にかけて移動すると、ぼそぼそと話し声が聞こえてきた。
誰?誰と話してるんだ?
えらくフランクな英語…友達?
希は俺に気付くと笑って手招きした。
素直に側に行くと、手を取られ隣に座らされ、腰を抱かれた。
「…うん、そうだよ。
今、俺のハニーが起きてきたから、時間調整してからそっちに行くね!
じゃあ、後でまた。」
「おはよう、斗真。」
抱き寄せられてキスされた。
「おはよう、希。」
うれしくて俺もキスを返す。
「ユータとマイクが、『早く斗真に会わせろ』って。
朝イチで電話が掛かってきたんだ。」
くすくすと希がおかしそうに笑っている。
ユータとマイク…
「あぁ…希の親友だな?俺のことを相談してたって言ってた…」
「うん。そうだよ。
唯一、俺が心を許して付き合ってきた大親友さ。
アイツら、大学を卒業するとすぐ、一足先に籍を入れて結婚したんだ。」
「…同性…だよな?」
「うん。アイツらも幼馴染でさ。
俺と斗真のことをすごくわかってくれて。
ずっと話聞いてもらってて。
アイツらがいなかったら、俺、ヤケになってどうなってたか分からない。
だから、感謝しても し尽くせないくらい。
俺達が結婚した って報告した時、二人とも大泣きして喜んでくれたんだ…」
「じゃあ、俺にとっても大恩人だ。
会ってきちんとお礼言わなきゃ。」
「斗真…」
ちゅ…ちゅ…と優しい無数のキスが降ってきた。
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