624 / 1000
第624話
ジョンが、意識を失った斗真を部屋に連れ込んでからの様子は、奴が録画していたビデオからも明らかになった。
「そして…まだ頭が朦朧として抵抗したくてもできない俺に馬乗りになって、シャツをビリビリに引き裂いた。
その時に、布みたいな物を口に突っ込まれて、声も出せなくなってしまったんだ。
出るのはくぐもった唸り声だけ…
『へえっ…凄い所有物の証 だな…
ノゾミはこんなに独占欲丸出しなんだ…』
そう言って、赤く色の付いた所を一つずつ人差し指でなぞっていった。
気持ち悪くて吐きそうで
『止めろ!退けよっ!!』
って、自分では大声を出して叫んで、暴れているつもりなのに、身体が全くいうことを聞いてくれなかった。
そのうち
『お前、ノゾミに抱かれてるんだろ?
こっちも見せてもらうぞ。』
言われるや否や、スラックスと下着をずり降ろし、マジマジと見つめた後、無言で何かを取り出した。
少し細くなったチューブの先端から粘り気のある液体が流れていて
『流石にいきなりはかわいそうだからな。
ローション、仕込んでやるよ。』
笑いながら無理矢理チューブの先を突っ込もうとするから、力を振り絞って足で蹴り倒し、できる限りの抵抗をした。
そのうちの一つが腹にヒットしたのか、そこを押さえて ひと言呻いた奴は
『大人しくしてりゃあ付け上がりやがって。』
そう言うと、膝に絡まってた服を一気に引き下ろしてベッドの下に投げ捨てると、また俺に馬乗りになって、数発殴ってきた。
凄い力で、脳みそがグラグラと揺れて、また意識が飛びそうになった。
こんな所で、こんな奴に好き放題やられて堪 るもんか。
希に迷惑はかけられない。
でもどうすればここから逃げられる?
何とかしなくちゃ。
回らない頭で必死に考えた。
ともだちにシェアしよう!