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第641話

「おいで。」 手を繋いでシャワーブースに並んで立った。 コックを捻ると、一瞬冷たい水が肩に当たったが、すぐに程良い温度のお湯に変わった。 ヘッドを持って、斗真の肩から順番に流してやる。 俺が付けた所有の印は少し薄くなっていた。 「頭、流すよ。」 髪の毛を後ろへ撫で付けるようにお湯で洗い、シャンプーを泡立てて洗ってやる。 「痒いとこないか?」 ゆるゆると首を横に振る斗真。 目を瞑ってる時間が長いと不安になるだろうから手早く洗って、コンディショナーもざっと流した。 泡が出るタイプのボディソープをこんもりとタオルに乗せ、ゆっくりと身体を擦っていく。 斗真は嫌がる素振りもなく、俺のなすがままに、泡だらけになっていた。 後孔は…斗真は拒否しなかった。 擦過傷の残るそこは、そっとお湯を流すに留めた。 染みて痛かったのか、斗真の顔が歪んだ。 「痛いよな?後で薬塗ってやるから…ごめんな。」 斗真は ふるふると首を振り、小さな声で「大丈夫」とだけ答えた。 足先まで洗い上げると 「今度は俺!」 タオルを渡して、頭からお湯を被った。 斗真の指が頭皮を遠慮がちに滑る。 「…どう?」 「気持ちいいよ。続けて。」 「…うん。」 洗い終わって簡単にタオルドライをすると、次にボディソープを付けて俺の身体に触れ洗い始めた。 少し震えているように見えるのは気のせいだろうか? 「斗真、ちゃんと見て。“俺の身体”って認識して。」 斗真の手が肩に触れる。 ほぼ勃ち上がっている俺自身は隠さない。 見ろよ。 お前に触れて、お前が触れるだけでこんなになってるんだぞ。 もし嫌いな相手なら、絶対にこんなことにはならない。 斗真の視線が下りてきて、その動きが止まった。 「斗真…見たら分かるだろ? 俺がお前を愛してることを。」 「すご…」 ゴクリと喉が鳴る。 「ここも…洗って。」

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