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第647話

俺も、斗真の声だけでイきそうだった。 ゆるゆると腰を動かしながら 「斗真…俺も。一緒に握って…」 斗真の手を手繰り寄せ、二本纏めた楔を一緒に握り込み、上下に動かした。 「はっ、はんっ…のぞ…み…あっ…」 「くっ…斗真…一回、出すぞ。」 数回擦っただけで、あっという間に二人とも爆ぜてしまった。 はぁはぁと肩で息をする斗真の腹や胸には、二人分の精液が飛んでいた。 出したにも関わらず、どちらも雄の印は萎えていない。 俺は枕を斗真の腰の下に当て、両膝を立てて、その中心に顔を近付けた。 「希っ!?待って、そこは」 斗真が、膝を合わせ俺の頭を避けて隠そうとするのをガードしながら 「頼むから愛させてくれ。 …痛かったら止めるから。」 斗真の抵抗する力が次第に弱くなっていった。 「…分かった。」 力の抜けた膝を再びゆっくりと割っていく。 顔を近付け、目の前に晒されたのは、痛々しい数カ所の擦過傷。 風呂場ではハッキリと見えなかったが…斗真の抵抗した証だった。 「斗真、名誉の負傷だな。」 そう呟いて、そっとキスをした。 びくりと跳ねた斗真の両膝に手をかけたまま、その傷跡を舌先でなぞっていく。 怖かっただろう。痛かっただろう。ごめんな。 愛と労いと謝罪を込めて舐め続けた。 次第に後孔が、はくはくと反応し始め、その愛らしい穴にも舌を這わせ捻じ込んでいく。 じゅっ じゅるっ というイヤラシイ水音と、斗真の喘ぎ声がリンクしていた。 「あっ、希…そんな、そんなこと…ああっ、もう…あっ…」 身悶えしながら斗真が喘ぐ。 唾液だけじゃ足りない。 ベッドサイドに忍ばせてあったローションを手に取ると、温める時間も惜しく指先に纏わせて、そっと差し込んだ。 暴れる鼓動と上がる体温と、目の前で乱れゆく斗真の姿が…俺を獣に変えていった。

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