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第651話

「…っ…そんな、こと、口に出すなよぉ…」 涙目で睨んでも、かわいいだけだからな。 答える代わりに、ずるずるっ と前後に動いてみた。 「ああっ」 びくりと仰け反る背中が、平らな胸を押し出してきた。 赤くぽっちりと色を変え、果実のような瑞々しい赤い粒は『食べてくれ』と言わんばかりに俺を誘う。 両方の人差し指で先端をくるくると刺激する。 ひゅう と斗真の喉が鳴った。 ココ…好きだもんな。 親指と人差し指で、左右に捻りながら摘み上げると『くっ』と嚙み殺す声が聞こえた。 コリコリに固くなった表面を指の腹で擦り、爪先で弾く度に、斗真が耐え切れぬように甘い吐息を漏らしている。 と同時に、腰の動きも再開する。 ゆるゆると浅い所で抽挿を繰り返すと、斗真は甘い声を上げ始めた。 「あっ…そんな、一度に…ああっ…」 そう言いながらも、斗真の腰が動き出していた。 俺の意思に関係なく、欲望のまま少しずつスライドは大きくなり、片手で斗真の腰を掴み、片手で乳首を左右交互に愛撫していた。 俺達が繋がる場所からは、絶え間なくいやらしい水音が聞こえ、快楽に堕ちた斗真は、掠れた声で甘えるように俺の名を呼び啼いていた。 斗真、そうだよ。 お前を抱いているのは俺だ。 この角度から突くのが好きだろ?俺しかできないもんな。 お前の中、もうすっかり俺だけの形になってる。 自分でもイイ所に当ててみろよ。 ほら、気持ちイイだろ? 俺も、サイコーに気持ちイイよ。 纏わり付く襞を掻き分け、すり潰すように楔を進め、打ち付ける速度も深さも大きくなってきた。 「あっ、希っ…イクっ…あ、そんな奥までっ、深い…あっ、あっ、ダメっ」 「斗真、もっと…もっと奥まで…」 破裂音は更に激しくなっていく。

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