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第652話

奥へ奥へ… 今まで達したことのない場所をこじ開けようとしていた。 柔い襞がしがみつくように纏わり付くのを潰しながら振り解き、押しては引いて快楽の階段を駆け上がって行く。 何度も何度も何度も愛した斗真の身体。 何かが違う…快楽の度合いか? 無数の襞も粘りつく粘膜も、切なげに縋り付いてくる。 それらに吸い込まれるように、一層奥深く達しそうな気がする。 昂ぶる欲を吐き出したはずなのに、斗真の中を抉るように穿(うが)つ楔は萎える気配が全くない。 ぐちゅっぐじゅと滑った音は欲望を掻き立てる。 汗が額から頬に流れている。 斗真の身体が震えているのは…蘇る襲われた恐怖?それとも感じてくれている? 目を瞑り俺の腕をぎゅっと掴み、うわ言のように俺の名を呼ぶ斗真。 「希っ…はっ…希…深いっ…」 「ごめん、優しくしてやる…余裕がない」 「怖い…ああっ…奥までっ…クルっ!」 ぐに と最奥に潜り込んだ感覚があった。 あぁぁーーーっ!!! 嬌声を上げた斗真の背中が弓なりになった。 俺の腕に爪が食い込んでいる。 力が入ったせいなのだろう、斗真のナカも入口も、ぎゅうぎゅうに締め付けてくる。 斗真の揺れる肉棒から、ぴしゃっと白濁の液が放物線を描いて辺りに飛び散った。 「くうっ」 あまりの締め付けに俺も耐え切れず、熱を放出した。 どくどくと斗真の中に吐き出した愛液は、行き場を失って更に奥へ進んでいく。 身を震わせながら最後の一滴まで注ぎ込む。 斗真は…俺の腕を掴んでいた手はシーツに落ち、荒い息を繰り返しぐったりと横たわっていた。 「斗真?斗真っ!?」 頬を軽く叩くと薄目を開け、また瞑った。 斗真の中から出たがらない俺自身を慌てて引き抜き、斗真を抱きかかえた。 その後孔から、どろりと白濁の液が溢れてきた。 「斗真?しっかりしろ!斗真!!!」

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