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第655話

その姿と、昨夜の獣じみた睦み合いを思い出し、一旦縮こまっていた俺自身がムクリと頭をもたげた。 途端に斗真がぴくりと反応した。 彼の尾骶骨部分に当たっていた…と言うより密着していたから、その反応がダイレクトに伝わったのだ。 「…希…」 「はい、何でしょうか。」 「…ちょっと…離れて。」 「どうして?俺は斗真とくっ付いていたい。」 ワザとゴリゴリ押し付けながら抱きしめた。 「…当たってるから…ちょっと離れて。」 「やだ。」 「…希…」 「…しないから。斗真を充電させて。 お願い。」 斗真の返事はなかったが、抵抗しないところを見ると、このままでオッケーなんだ… よいしょ、と斗真を跨いで向き合う体勢になると 「おはよう。」 と軽いキスをして、正面から抱きしめた。 しっかりと勃ち上がった俺のと、まだ軟化している斗真のが触れ合う。 斗真はもぞもぞと腰を引くけれど、それがまた擦れ合って気持ち良くて、逃さないように足を絡み付けた。 「何もしないから。本当に。 斗真を感じさせて。お願い。」 隙間もないくらいに密着した肌。 動いてないのに、俺はジワリと先端が潤むのを感じ、斗真の雄のシルシは次第に硬化していく。 その変化に喜びを感じながら、ちゅくちゅくと啄ばむようなキスをする。 「…擽ったい。止めろ。」 とうとう、顎を押されて制止された。 『新婚さんなのに…』と、むくれる俺に 「んだろ?じゃあ、何もするな。 それが嫌なら離してくれ。」 いやぁ、見事な塩対応。俺のヨメはツンデレか。 感じてるクセに。いや、これを言ったらお触り厳禁になる。ヤバい、ヤバい。 「分かった、何もしない。もう少しこのままで…」 ため息をついた斗真を抱きしめた。

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