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第682話
画面を覗き込んだジェシカは
「まぁ、綺麗!流石雅な日本ね!美味しそう…
そう、一つ一つにいろんな意味があるのね…」
それから俺と斗真は、年末から年始にかけての過ごし方をあれこれと説明した。
ふーん、とか、へぇー とか、ジェシカ達は興味津々に聞いていた。
「ねぇ初詣って?それは何のためにするの?」
「神社…それぞれの土地を守ってくれてる土地神様に新年の挨拶に行くんだ。
テレビとかで見たことないかな?」
「あー、大勢でお金投げてた!」
「それそれ!『お賽銭』って言うんだけど、よく考えたら神様にお金を投げつけるなんて、失礼な話だよね。」
「ホントね。
やっぱり“不思議な国ニッポン”ね!」
そこにマイクやミリヤが加わってお年玉の話になると、ヒューっと口笛を吹いたマイクが、わざと丁寧に尋ねてきた。
「じゃあ、俺達も『おじさま達』からその“お年玉”を頂けるの?」
斗真がクスクス笑いながら頷くと、三人でガッツポーズしていた…現金な奴らめ。
「それは後のお楽しみということで。
あ、でも金額は期待するなよ!」
「あーら、あなた達、日頃『俺達はもう子供じゃないんだから、一人の大人として扱ってよ!』なーんて言ってるくせに、都合のいい時だけ子供になるのねぇ。」
ジェシカの言葉に反論できずに、三人はしどろもどろになって言い合っていた。
「そっ、それは、その時々で…」
「そうよっ!ママ、ズルイ!黙ってて!」
「俺は大人だなんて言ったことないからな!」
三人の慌てぶりに俺達は大笑いした後、ジェシカ隊長の指示通りに調理を始めた。
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