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第686話
「分かった、ちゃんと守る!」と約束し、俺も裸になると布団に潜り込み、斗真を抱きしめキスをした。
触れ合うだけでいい。
何て気持ち良くて安心するんだろう。
「はあっ…キモチイイ…もの凄く安心する…」
吐息とともに零れ落ちた言葉に、斗真が返してくれる。
「…うん、俺も…」
首に巻き付く腕の強さに、キスで返す。
「…なぁ、希…」
「ん?」
「お義父さん、義兄さん…幸せそうで良かった…義姉さん も…
みんな、辛い過去を乗り越えて…いや、違う…そういうものを受け入れて受け止めて、昇華してしまったんだろうな、きっと。
だから、築き上げてきた分の重みの上に、あの優しさがあるんだろう…
俺も、俺もそうなりたい。
お前と一緒に…あんな風に笑って過ごしたい。」
「斗真…」
俺は斗真の両頬をそっと包み込み、視線を合わせて言った。
「俺も、そうなりたい。
お前とならそうなる自信がある。
って言うより、もうそうなってる。
斗真、一生離さないし離れない。
愛してるよ。」
じわりと滲む斗真の瞳に俺が映り込んでいる。
柔らかなキス。
リップ音を残し、そっと離れた。
「…本当なら…このままヤりたいけど…帰国するまで我慢する。
帰ったら、覚悟しとけよ。」
くすくす笑う斗真は
「望むところだ。」
と、何とも勇ましい答え。
ちゅ ちゅ と何度か名残惜しげなキスを繰り返した後、抱きしめ合って「お休み」を言った。
希、愛してる…お前で良かった…
小さな小さなささやき声に、胸が締め付けられ…
この上なく愛おしい伴侶に、思いの丈を込めてもう一度キスをした。
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