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第688話
「お世話になりありがとうございました。
ぜひ、日本にもまたいらして下さい。」
「:義姉さん(ジェシカ)のお陰で、兄貴だけでなく親父までもがこんなに笑えるようになって…本当にありがとうございました。
どうぞ、身体には気を付けて…
それと、これは子供達に。
これは親父。これは兄貴、そしてジェシカに。」
綺麗な和紙のポチ袋をそれぞれに手渡した。
うわっ!という歓声と口笛の後、俺と斗真は子供達に抱きつかれ、後ろに転びそうになった。
「これっ!お年玉だろっ!?凄いっ!」
「ノゾミ、トーマ、ありがとう!」
「凄っ!ありがとうっ!」
「俺達にもか?まさか息子から貰うなんてな。」
「無理しちゃって。ありがとな、希、斗真。」
「私にも!?綺麗!素敵っ!ありがとう!」
照れ臭かったが、親父達ともハグして、ひとしきり落ち着いた頃
「みんな、元気で。そろそろ時間だから行くよ。
ありがとう!」
そしてジェシカにこっそりと
「斗真が悩んでたら、助けてやって。」
ジェシカはにっこりと微笑むと「任せて!」と親指を立てた。
兄貴の車で空港まで送ってもらう。
窓を全開にして見えなくなるまで、みんなに手を振る。
キンとした冷たい空気。
太陽に反射する雪が眩しい。
「…兄貴…年末の忙しい時に世話になってごめんな。ありがとう。」
「なーに殊勝なこと言ってんだか。
斗真、のんびりできたのか?」
「はい!お陰様で。ありがとうございました!
義姉さんに本当にお世話になって…」
「アイツはいつもあんな感じだからな。
…何かあったら頼ればいい。親父もアイツのお陰で笑えるようになったから…」
「親父があんなに変わるなんて…兄貴、いい嫁さんもらったな。」
「あははっ!お前もな!
斗真、コイツは、ワガママでどうしようもなく甘えたで俺様だけど、お前しかコントロールできないから、頼むな!」
ぶふっ
「…くっくっくっ…はい、勿論です!」
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